第一章 美人社員の屈従

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 これで流れは完全にこちらのものだ。
 そう思っていた加藤だったが、相手もさる者で、すぐに自分を取り戻してしなだれかかってきた。
 美しいストレートの毛髪がサラリと流れ、なんとも心地よい匂いが鼻先をくすぐってくる。
 まるで媚薬のような香りに、加藤の珍棒はますます突起してしまっていた。
「ほら、もうココもこんなに硬くなっていますわ」
 細くしなやかな指先が、股間の暴れん坊にそっと触れてきた。
 柔らかなタッチで絶妙に刺激を加えられてしまうと、我慢を決めこんでいた加藤の下半身が、意思に反してたちまちとろけそうになってしまう。
 肉のたるんでいる頬が緩み、少しでも気を抜けばすぐに声をあげてしまいそうだった。
 それにしても意外なのは西脇真澄である。
 外見や立ち振る舞いなどから、てっきりあまり性に関しては熱心ではないと思っていたのに、ズボンの上から男性器をあやす手つきが妙に慣れている。
 だからといってされるがままでは、それこそ相手の思う壺である。
 昂ぶりつづける高揚感を抑えつつ、加藤はあえて余裕の笑みを浮かべた。
 真澄の手首を掴み、股間部から強制的に移動させる。
「ワシのセクハラが嫌で嫌で訴えようとしていたんだろ。無理をする必要はないぞ」
 今まで袖にされてきた恨みもあって、ここぞとばかりに加藤が攻めこんでいく。
「ワシの記憶が確かなら、媚びるくらいなら会社を辞めたほうがマシだと、威勢よく言っておった社員がいたような気がするんだがなぁ」
 少し強めの視線を向けてやると、真澄はたじろいでから目を逸らす。そこにいつもの勝気な姿はなかった。
「か、会社はクビになっても構いません。ですが、どうかお願いです。私を社長様の愛人にしていただけませんか」
 ベッドから下りて床に両膝をつき、加藤の足元で真澄が深々と頭を下げた。
 加藤の読みどおり真澄の狙いは、自分をコケにしてくれた同僚たちへの復讐だった。会社に執着した仲間たちに、加藤の愛人となることで権力を手にして徹底的に虐めてやるつもりだったのだ。
 だがどうやら真澄の魂胆は加藤に丸わかりのようであり、これ以上変に小細工をするより単刀直入に頼んだほうがいいと思ったのである。
「殊勝な態度だが、お前は散々ワシの誘いを断ってきただろう。その考えはちと甘すぎるんじゃないのか」
 返す言葉もない真澄がすがるような目で見上げてくる。散々煮え湯を飲ませてくれた女の哀れな姿に、加藤の溜飲も下がっていくようだった。
「まあ、ええ。ワシは心の広い男だからな」
 あんまり追いつめすぎて、肝心の女体が味わえなくなってしまったら元も子もない。困ったことに堪え性のないきかん棒が、さっきからズキズキとどうしようもなく疼いてしまっているのだ。
「偉大な社長様のお誘いを断るなんて、真澄は愚かすぎる女でした。そのお詫びとして、どんなお仕置きにも喜んで耐えてみせますわ」
「フフン。ならばまずお前の体を見せてもらおうか。ワシの愛人として相応しいかどうかチェックしてやる」
 目でバスタオルをとるように促すと、頷いた真澄がその場に立ち上がった。
 唯一身に着けていたバスタオルがはらりと床に落ち、加藤の目の前に極上ボディが披露される。
 乳房はピンと張って上を向き、ウエストはキュッと引き締まっている。肌も健康そのもので染みひとつない。
 制服の上からいつも想像していたとおりの肢体に、思わず生唾を呑みこんでしまう。
 視線をさらに下げていくと、少し薄めの陰毛がひっそりとデルタゾーンに佇んでいた。
「ずいぶん上品なおけけをしておるじゃないか。フフフ、まさしくもってワシ好みだ。美人に剛毛というパターンもなかなかそそられるが、あまりに度を超えているとさすがにひいてしまうからな」
 指先で恥毛の感触を楽しみながら、加藤がガハハと笑う。
 プライドを捨てて愛人にしてほしいと頼んできた真澄だったが、複雑そうな顔で眉をしかめていた。やはり心から加藤の情婦になることを望んでいるわけではないのだ。
 だからこそ面白いんだがな。心の中で加藤は自信ありげにニヤリとした。
 今まで抱いてきた数々の女たち。なかには当然一夜を共にすることをしぶしぶ了承した女もいた。だが朝にはそれらすべてが例外なく加藤の虜になっていたのである。
 自惚れではなく、これまでの実績と経験から加藤は女の扱い方に相当の自信を持っていたのだ。
 次に加藤は真澄に後ろを向かせ、常々よからぬ妄想を抱いていた臀丘を鑑賞することにした。
 体を動かすことが好きで、休日にはよくスポーツを楽しんでいたという真澄のヒップは見事すぎるほどだった。
 筋肉と脂肪がほどよくミックスされ、ムッチリとしていながらも垂れることなくキュッと引き締まっている。
 背中からつづく美しいラインは極上のくびれを形成していて、なんとも悩ましい。
「たまらん尻だな。触ってくれとワシを誘っているみたいじゃないか」
 両手を伸ばして目の前の双丘に触れる。
 ビクンと体を震わせた真澄だったが、加藤の行為を拒否するようなことはなかった。
 尻肉を自由に揉まれるのを耐えているかのように、口を真一文字に結んでジッと立ち尽くしている。
「黙ってないで少しは色っぽい声でもだしてみろ。ワシを喜ばせることができんのなら、愛人として失格だぞ」
 ヒップを軽くスパンキングされ、微かに恨みっぽい視線を加藤に向けてきながらも、真澄は「アアン、ごめんなさい」と謝罪の言葉を口にしていた。
「社長様に触れられていると思っただけで、感動と緊張でボーッとしてしまったんです。どうかいけない真澄をお許しください」
 そう言うと真澄はお詫びとばかりに尻を左右にくねらせた。真澄なりに精一杯加藤を喜ばせようとしたのである。
「尻を振るたびにスケベな赤貝が顔をだしてるじゃないか。それにしても陰毛同様にココもずいぶん上品な造りをしているな。オイ、今までに何人くらいココで咥えこんできたんだ」
「そ、そんなこと……」
 恥ずかしさから口をもごもごとさせてしまう真澄。
 女性らしい反応ではあったが、欲していた答えと違ったため、怒りで加藤の眉は吊りあがっていた。
「情婦になりたいんなら、ワシの質問にはなんでもすぐに答えろ」
 さきほどの冗談半分のスパンキングとは違い、今度は痕が残りそうなほど力をこめて何発も平手を見舞う。

「アッ、アッ、言います、言いますわ。さ、三人……三人ですッ!」
 苦痛に顔を歪めながらも大きな声で真澄が答えると、満足した加藤がようやく尻叩きを停止してくれた。
「思ったより少ないな。ということはあれか。ひとりあたりの回数が多いということか。ん?」
 臀丘をねちねちと撫でまわされている真澄は顔を羞恥に染めた。だが答えなければ加藤に何をされるかわからない。
 結局小さい声ではあるが、回数もそんなに多くないことを告白してしまうのだった。
 それを聞いた加藤は嬉しそうにさらなる卑猥な質問をしてくる。
 会社では常時女性社員に対してこの調子だっただけに、セクハラで訴えられそうになるのも当然の話だった。
 以前ならキッと睨みつけたりして、質問を却下していた真澄だったが今は状況が違う。黙秘権や拒否権は一切認められていないのだ。
「フェラチオの経験はあるのか」
「あ、ありませんわ。あんなグロテスクなモノを、口でどうこうするなんて耐えられそうもありませんでしたので、当時の恋人に頼まれてもすべて断っていました」
 嘘偽りない本音であり、事実でもあった。
 セックス自体もあまり好きではなく、気分がのらなければ行為を拒否することも少なくなかった。
 それでも相手がどうしてもと頼みこんでくれば、仕方なしに手コキで抜いてあげた。だからこそ経験豊富な加藤も唸るほど手技が絶妙だったのである。
「ククク。今まで付きあってきた男どももかわいそうになぁ。まあ、そのおかげでワシが真澄の口処女を貰えるわけなんだがな」
 早速口奉仕を強要されるのかと思いきや、加藤は未だに引き締まっているヒップに執着したままだった。
「こっちの経験はどうなんだ」
 体形と同じように加藤の太っている指が、尻肉を掻き分けて美人OLの不浄の穴をつついた。
「や、やめてください、そんなとこ」
 突然の刺激に驚いた真澄は悲鳴を発して体を暴れさせた。
「その様子じゃ使ったことはないみたいだな」
 一旦離した指先を口に咥え、たっぷりと唾液をまぶしていく加藤。
 何をされるのか察知した真澄は恐怖に顔を歪め、急いで逃げようとする。
「ジタバタするなッ!」
 先ほどと同じように、加藤が真澄の肉丘をおもいきり引っ叩いた。
 バチンと肌を打つ音が響き、わずかに茶色い地肌に手のひらの痕が薄っすらと浮かんでくる。
「愛人なら体のすべてでワシを満足させねばならん。それともここで諦めてしまうか?」
「う、うう……」
 意地の悪い加藤の台詞に、真澄は目を伏せて唇を噛むことしかできなかった。


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