第二章 幕開けの復讐劇

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 事務所内はいつもと違う異様な光景に包まれていた。
 それも当然。増田ゆい子と中島春香の二人が、人目もはばからず、室内で誰彼構わず性交にふけっているのである。
 名前も知らなかったような冴えない中年男性の社員に秘肉を貫かれては、およそ演技とは思えない嬌声を放っている。



「あアン、いい。奥まで届いてるぅ」
 事務所の机に立ったまま両手をついて、バックから犯されている増田ゆい子がウットリとしたため息をつく。
「こんな気持ちいいセックスなんて初めてぇ」
 今まで付き合ってきた男たちが聞いたら、自信をなくしてしまいそうな台詞を口にしたのは中島春香である。
 彼女もまた、顔さえ知らなかったような、定年間近のパッとしない男性社員に立ちバックで犯されていた。
 二人が自分たちの相手をしている男性社員の顔や、名前を知らないのも無理はなかった。この二人は窓際族で、隔離された部屋で毎日資料整理なんぞをさせられているからだ。もちろん重要な書類などあるわけもなく、ほとんど嫌がらせのような業務である。
 数いる男性社員の中から、わざわざこの二人を選んだのは他ならぬ西脇真澄だった。
 会議室での一件を終えてから全裸にさせたままゆい子と春香を移動させ、普段の勤務場所であるこの事務所へと連れてきた。
 そこで落ちぶれた中年親父どもの相手をさせ、惨めな気分にさせてやろうと思ったのである。ところが、真澄の思惑は見事なまでに外れてしまっていた。
 増田ゆい子と中島春香の二人は、たいして嫌がる素振りを見せることなく、我先にと中年男性社員のペニスにむしゃぶりついたのである。
 普段の彼女たちなら話相手をするのもごめんとばかりに、中年親父どもを罵っているはずなのに、今では長年連れ添った恋人のようにピッタリと腰の動きを合わせていた。
「快楽で完全に理性が麻痺してしまっていたのね。ここまでバカになってしまったら、もう復讐を続けても意味はないか」
 勤務場所での後輩女性社員たちのセックスを眺めながら、ボツリと真澄が呟いた。
 若干の物足りなさは残っているが、ここまで二人を堕とせたのだから十分だろう。真澄がそう思っていると、背後からふと声が聞こえてきた。

「二人ともだいぶいい具合になっているようじゃないか」
 いやらしい響きを多分に含んだ、男の重低音なボイス。振り返るまでもなく、真澄にはその正体がわかっていた。
 この会社最大の権力者である、社長の加藤育郎である。
 荒い吐息が真澄の首筋にかかり、大きな手が無遠慮にタイトスカートの上からヒップを這いまわる。
 加藤の性技で昨晩、徹底的にメロメロにさせられてしまったこともあり、こういった行為にも真澄は嫌悪を覚えることはなくなっていた。
 それどころか、散々ゆい子と春香の痴態を目にしていて、火照っている身体は嬉々として加藤の手を受け入れてしまう。
「軽く撫でただけでイヤらしく尻をくねらせおって。お前もつくづくスケベな女だな」
「社長様だからですわ。その手に触れられただけで、真澄はたまらなくなっちゃうんですぅ」
 可能な限り甘えた声をだし、加藤に自ら顔をすり寄せていく。
 唇を求められればすぐに応じ、積極的に舌を絡めては相手の唾液をすする。
 セクハラ社長と社内のアイドルによる濃厚なディープキスに、たまらないのは側にいる男性社員たちだった。
 会議室にいた社員のほとんどが仕事なんぞ手につかず、事務所に大挙して押し寄せているのだ。
「それにしても、あの二人がここまで乱れるとはな」
 いくら権力を与えてやったとはいえ、真澄がここまでの結果を残すとは、さすがの加藤も予測していなかった。
 当初は愛人にして飽きたら捨てようと思っていたのだが、これだけの手腕を見せられれば話は別である。
 幸い真澄は自分のテクにまいっているようだったし、さらに色責めにして完全に自分の手駒にしてしまうのも悪くはない。尽きることなき妄想はどこまでも広がっていく。
 やがて窓際族らしい情けない叫びを放って、ゆい子に挿入していた男性社員が果てた。ペニスをいまだ抜かれてはいないので、もちろん中だしである。
「ウフフ。どうかしら、落ちぶれた醜い中年親父に犯されるだけでなく、膣内射精までされてしまった気分は」
「く、悔しくて、み、惨めです。で、でもそれがまた……ンアアッ!」
 台詞の途中でゆい子の腰部がビクビクと、突然不自然な動きを開始した。
 その直後に瞳から輝きが薄れ、なんとも言えない呆けた表情になる。
「ククク。なのにお前はイッてしまったのか」
 加藤の問いかけにも答えず、ゆい子は絶頂の余韻に身を浸らせている。
 すると、すかさず真澄が近づいていき、少し垂れぎみの巨尻をおもいきり蹴り飛ばした。
「社長様の質問にはきちんと答えなさい。貴女たちはこの会社にいるかぎり、社長様のペットなの。いえ、マゾ豚には家畜と言ったほうがお似合いかしらね」
「ああ、申し訳ありません。どうか、この躾のなってないマゾ家畜をお許しくださいィ」
 その場で全裸のまま土下座をするゆい子。その目は堕落していく自分自身に酔っているようにも見えた。
「すっかりマゾプレイがお気に入りみたいだな。いいだろう。今から貴様は我が社の性欲処理係だ。しっかりと励めよ」
「あ、ありがとうございます。ゆい子は新たな役職を立派にこなしてみせます」
 完全に堕ちた親友の隣で、中島春香も膣内にドプドプと大量の白濁液を注がれていた。
「入ってきてるぅ。リストラ目前の駄目親父に、私……中だしされちゃってるのぉ」
 春香もゆい子と同じように、膣内射精をされてしまった途端に昇りつめていく。
 その様子を見ていた西脇真澄が冷ややかに「貴女も性処理係のほうが似合っているみたいね」と呟いた。
「では二人揃って任命してやるか。空いている部屋を性処理課にして、そこへ配属してやろう」
「ンフン、とても素敵な考えですわ。社長様」
 加藤の手がブラウスの中に侵入してきて、黒のブラジャーごと見事な弾力を誇る豊乳を揉みしだく。
 男性社員の視線がセックスを終えた裸身の女性社員二人よりも、自分のほうへ集まっていることに加藤は優越感を覚えていた。
「犯りたいのなら、我慢する必要はないぞ。そこにいる二人は我が社の性欲処理係なのだからな。社員ならば誰でも使用可能だぞ」

 加藤の言葉に、今まで股間を痛いくらいに膨らませていた男性社員たちは歓声をあげ、順番を争いながら二つの女体へと殺到していく。
 大多数の男が女体にありつけずにいると、今度は真澄が声を発した。
「遠慮する必要なんてないわ。性欲を処理するのが彼女たちの仕事なんだから、アナルでも口でも使えるところは全部使っていいのよ」
 真昼の事務所内で乱交がスタートし、場にいる男性社員全員は参加し、女性社員は目を合わせないように室内の隅でひっそりと仕事をしていた。
 皆、いつ自分たちが増田ゆい子や中島春香みたいにされてしまうか、気が気ではないのだ。
 加藤に愛撫をされながら西脇真澄は、ひとり内心でほくそえんでいた。
 これで社員は男女とも、自分に逆らうことはないだろう。あとはひとりひとりに復讐してばいいだけである。
 今回の一件で目覚めたサディストの血が、真澄の身体を熱くたぎらせるのだった。

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